2022年7月10日(水)の人魚の学校練習会に参加しました。水深5mの巨大プールに人魚たちが大集合しました。おしゃべりのテーマは「究極の息止め!長く水中にとどまる方法」です。
今回のテーマは「究極の息止め!長く水中にとどまる方法」
マーメイドスイムを楽しんでいるあなた。もっと長く水中で泳げるようになりたくありませんか? できるだけ長く水中で泳ぐための方法を詳しく、分かりやすくお話します。
人魚の学校とは?
2022年7月10日日曜日。愛知県名古屋市南区にあります日本ガイシアリーナ・飛び込み用プールにて、人魚の学校の練習会が開催されました。日本ガイシアリーナは5月から9月までの5ヶ月間は プールとして、11月から3月までの5ヶ月間はスケートのアイスリンクとして使用されています。
プールの大きさは25m×25m。一番深いところで水深5m。浅い所で3mの水深となっています。水温は27度です。
どんな服装で泳げばいいの?
「練習会は人魚の格好じゃないと駄目?」「ビキニを着るのは恥ずかしい……」……と不安に思っていらっしゃいませんか? そんなことはありません!
マーメイドテイルで泳ぐ方、ビキニにフィンという格好で泳ぐ方、ワンピース型の水着・ラッシュガード・ウェットスーツを着て泳ぐ方──男性も女性もいろんな方がいらっしゃいます。
人魚の学校は自由な校風で、シェリーナ先生もチェルシー先生も、生徒さんの個性を大切にされています。服装について厳しいことは言われません。マーメイドテイルもフィンもダイビングマスクもシュノーケルも、有料ですがレンタルが用意されています。
最低限ご自分の水着があればOKです。マーメイドスイム初挑戦のためにウェア選びから始めて見るのも楽しいですよ。
この日のマリダイバー「手作りのゴールドフィンカバー」
この日のマリダイバーは手作りのゴールドフィンカバーで泳ぎました。これは他の記事でも度々ご紹介していますね。


これまで10着以上いろんなマーメイドテイルを作ってきました。ただフィンの部分も含まれた一体型よりも、腰から足首までの部分と、足首から足先までのフィンカバーの部分が独立したマーメイドテイルの方が、使い勝手が良いなと感じています。
フィンカバーだけで泳いでもいいですし、全部身につけてもいいし、他のフィンカバーと交換してコーディネートも楽しめますからね。そんなわけで個人的には独立型のマーメイドテイルが好みです。また秋にでも別デザインのものを作ろうかなと思っています。
今回のテーマ「究極の息止め!長く水中にとどまる方法」
これまでもいろんな記事で息止めに関するコツなどをお話してきました。


ただし「単に息を長い時間止めること」と「水の中で長い時間泳ぐこと」は全く違います。今回は息を長く止めるだけではなく、特に水中で長く泳ぐことに焦点を当ててお話したいと思います。水中で長く泳ぐには5つのレベルがあります。順番にご説明しますね。
長く潜水するためのレベル1「水に潜れる」
人魚の学校のチェルシー先生が以前こんな風におっしゃってました「子供の時から泳ぐのは得意です。!」という方の方が注意が必要──と。泳ぐのが得意とおっしゃっていても、深い水深のプールに初めて入ると、ずっとプールの壁にしがみついたまま終了になってしまうことも多いんです。
「水面を泳ぐこと」と「潜って泳ぐこと」は全く違います! 学生時代の水泳の授業の成績とか、スイミングスクールの記憶は忘れてください。
深い水深でゆったり長く泳ぐことと、常に息継ぎしながら速く泳ぐことは一見似ていますが、全く別の動きです。潜る技術は練習をしないと身につきません。水への抵抗を最小限にするためのダックダイブ・ジャックナイフ潜航とか耳抜きの方法、水面での呼吸法──1から習得しないといけません。
変な喩えかもしれませんが「長いことクルマの運転をしているし同じ道路の乗り物なんだからバイク乗ったことないけど簡単でしょ」と思うぐらい無謀です! まず水に潜れることが大前提です。
長く潜水するためのレベル2「無意識に潜れる」
どうにかこうにか潜れるという状態では長く水中にとどまれません。
耳抜きは潜ってすぐ? それとも水深2m地点?
こんなことをいちいち考えていたら、脳が大量に酸素を消費します。
同じくクルマの運転で例えますと、免許取り立ての時は「まずシートベルトをつけて、ミラーを確認して、ブレーキ踏んで──」と一つ一つの動作を頭で考えますよね。でも慣れると身体が勝手に動いてオートマチックに運転できるようになります。
それと同じです。気がついたら勝手に潜っていた──という段階まで潜水技術を身につける必要があります。何の苦もなく、普通に、スルスル〜っと潜れるようになるまで、ひたすら練習です。数をこなすことが大切です。
長く潜水するためのレベル3「3分息をとめられる」
長く潜って泳ぐ感覚は人によって違いますが「1分間」が目安かなと思います。1分水中で自由に泳げるなら、サンゴや熱帯魚をゆっくり眺めたり、バブルリングやバブルキッスなどもそれほど慌ただしくなくできます。
1分水中で泳ぐためには3分息を止められないと難しいです。一般的に息止め時間の、だいたい半分から3分の1ぐらいしか水中で泳げないと言われています。
例えば陸上で30秒しか息を止められない人は、せいぜい10秒から15秒しか潜れません。それだとかなり慌ただしいです。潜った途端にすぐ浮上です。
息を止めると苦しく感じますが、これは酸素がなくなるからではなくて、二酸化炭素が血液中に増えると苦しく感じるようになっているからです。息止めの練習をすると苦しみへの耐性ができる──苦しいことに長く耐えられるようになります。
心肺機能の差はそれほど個人では違いませんが、精神的なものが大きいんですね。慣れてくると「このぐらいの苦しさなら平気かな」と落ち着いて息止めできるようになります。
ただし! お風呂で息止め練習は禁止です。万が一気を失ったら大変危険です。誰か他の人が見ているところで行って、絶対に無理をしないでくださいね。
長く潜水するためのレベル4「余分な動きをせずに潜れる」
水中で泳ぐことに慣れていないと、一生懸命水をかいて潜ろうとしたり、足をバタバタ動かしたりして無駄な動きだらけなんですよね。
どんなスポーツにも言えますが、上達するにつれて身体の動きが洗練されてきます。最小限の動きで 最大限のパワーを発揮する、効率の良い動きができるようになります。
余分な動きをしないために大切なのは「速く動こうとしないこと」です。速く動こうとすると水の抵抗が大きくなってよけいな筋力が必要になります。
この点でも水泳経験がある人だとかえって不利になることがあります。速く泳ぐ訓練ばかりしていたので、ついついマーメイドスイムでも速く泳ごうとしてしまったりします。ゆーっくり、ゆーったり水と水の間を滑るように進みましょう。
ただマーメイドスイムは魅せる演技──お客様や他の方に楽しんでいただくために、水中でのパフォーマンスをしますね。わざと足で水を跳ね上げて潜ったり、クイックターンでヒレを大きくたなびかせたり──と余分な動きをすることもあります。
これは仕方ありませんね。ただゆったりのんびり泳いでいるだけだと、見ている人は退屈ですからね。このように意識的に演技をするのを除けば、極力余分な動きを避けてください。
長く潜水するためのレベル5「何も考えずに潜れる」
潜るのも息止めも余裕が出てくると、水の中で考え事をしちゃうんですよね。クルマの運転しながら今日のご飯何にしようかなーってぼーっと考えるのと似ています。
考え事をすると脳が酸素を使ってしまって、潜る時間が減ってしまいます。人間の脳は暇になると勝手にいろんな事が浮かんで考え事をしてしまう性質があります。脳のクセなんですね。
これをなくすためには「瞑想」が最も効果的です。ここ数年マインドフルネス瞑想が流行ってますよね「何も考えないこと」は実は特殊技術です。瞑想のトレーニングをしてみましょう。
ただここで詳しく方法を解説すると動画が長くなってしまうので、本やネット、YouTubeの動画の解説を見て学んでみてくださいね。
くよくよ思い悩んだり、イライラ怒ったりしにくくなるので、マーメイドスイムに限らず身につけておくと一生の恩恵になりますよ。
まとめ
レベル2「無意識に何の苦もなく潜れる」
レベル3「3分息をとめられる」
レベル4「余分な動きをせずに潜れる」
レベル5「何も考えずに潜れる」
レベル1〜レベル5まで、1分水中で泳げるようになるまで一歩一歩順番に練習しましょう。
ただ1分以上となると、生まれながらの才能とか遺伝子的な資質・体質が関わってきます。プロのフリーダイバーのように厳しい世界で戦うとなると、努力では超えられない壁があるんですよね。
でも逆に考えてみると数をこなせば──練習さえすれば1分ぐらいならなんとかなります! そう考えると希望がありますよね。1にも2にも練習です。ご一緒に頑張っていきましょう。
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ロケ地
日本ガイシアリーナ・飛込みプール(愛知県名古屋市)