海でのマーメイドスイムに便利なシュノーケル。でも人魚にシュノーケルはどうも合いません。そこで海の王が持つ武器・トライデント型のシュノーケルを作ってみましたよ。シュノーケルとは何か、また作り方を解説しています。
今回のテーマ「トライデントシュノーケルの作り方」
海や広いプールでのマーメイドスイムに欠かせないのがシュノーケルです。シュノーケルがあれば、波があっても体力が落ちてきても、楽に呼吸ができます。でも水の中の生き物であるマーメイドがシュノーケルを手にしているのはどうも不自然。そこでこんな形のシュノーケルを作りました。海の王の武器・トライデントシュノーケルです。
シュノーケルの基礎知識
5m四方ぐらいのダイビングプールならすぐに壁に手がつきますから、呼吸を整えたり休むことができます。でも日本ガイシアリーナのような広大なプールや、果てしない海では立ち泳ぎをしないといけないので、呼吸の確保が結構大変ですよね。
そんなときに活躍するのがシュノーケル。忍者の竹筒みたいですよね「忍法・水遁の術!」なんてね。口に加えて筒の先を水面に出して空気を吸う道具です。
スノーケル? シュノーケル?
英語だとsnorkel(スノーケル)、ドイツ語だとSchnorchel(シュナウセル)といいます。なので「シュノーケル」というのは和製英語(和製ドイツ語?)っていうか発音が間違っているんですが、一般的には日本では「スノーケル(英語)」よりも「シュノーケル(謎語)」の方が多く使われています。なのでここではシュノーケルで統一します。
海でのマーメイドスイムには必需品
話を戻しまして。シュノーケルはプールでしか泳がない人にはそこまで必要じゃないかなと思います。すぐに壁に手をかけられますからね。
でも海で泳ぎたいマーメイドの方には必需品です。海は広大です。足もつかないほど深いです。ボートや浮き輪にすぐつかまれないこともあります。おまけに波がドップンドップンかかります。ずっと立ち泳ぎをするのも疲れますし、波があるときに呼吸を確保するのが難しいこともあるんですね。
でもシュノーケルがあればうつ伏せの体勢で休めますし、顔が海面から沈んでも呼吸ができます。海の上から魚たちを観察するのも簡単です。だから海のマーメイドの方は1つ持っておいてほしい道具なんですね。以下はシュノーケルの選び方の記事です。シュノーケルを買うときに参考にしてみてくださいね

シュノーケルの人魚的デメリット
ただ問題はこのシュノーケル、どうも人魚には合いません。ずっと口にくわえっぱなしにせよ、口から離して手で持つにせよ
って思いませんか? 外見・デザインも現代的すぎて、人魚が持つには不自然なんですよね。
マリダイバーの発明・トライデントシュノーケル
そこでこんなシュノーケルを作りました。トライデントシュノーケル〜! トライデントというのは三叉になっている槍のことです。『リトルマーメイド』のお父さんトリトン王も持っていますね。ギリシャ神話やローマ神話の海の神ポセイドンやネプチューンの武器です。
もともとは魚を突き刺して漁をするための道具です。だから人魚とは非常に相性がいいんですね。というわけで、これからトライデントシュノーケルの作り方を一部早回しでご覧いただきます。自分で作ってみたい方はぜひ参考にしてみてください。ではスタート!
トライデントシュノーケルの作り方
最初に材料をご紹介します。これはトライデントのおもちゃ。映画『アクアマン』のおもちゃみたいですね。どうみても公式グッズじゃないですが……AliExpressで1129円。送料込みでした。先の部分が青色と黄色のバージョンがあって私は黄色を選びました。

そしてシュノーケル。こちらは筒の部分がまっすぐで、口にくわえる部分は透明なものを選びました。そこが透明だと水の中で見えにくいからトライデントっぽく見えるだろうなと思います。シュノーケルのお値段は704円。送料が580円でした。
正確なサイズはシュノーケルもアクアマンの槍も事前にはわからなかったのですが、届いてみたら見事大きさぴったりでした。

ピカピカ光り音が出るトライデント
これ実は電池式で光るんです。電子音声の唸り声……かな? なんだろうこの音? 音と一緒に赤色と黄色にライトがピカピカ光ります。おそらく電池や回路を取り除けば、中を空洞にすることができるはずです。というわけで分解しまーす。
分解作業から下処理へ
分解作業大好きです。一応特殊ドライバーを用意しましたが、一般的なドライバーで外せる普通のプラスネジでしたね。一部接着してあったのですが、ルーターで切断すれば問題ありません。回路も単純です。ラジオペンチでコードをカットして簡単に取り外せました。
ところどころネジ穴のソケットがあったり、余分なプラスチックパーツがありますが、割と簡単に空洞の筒状にできそうです。削り出し用のルーターピットをつけてゴリゴリと削っていきます。
この辺りは単純作業なのでヘッドフォンをつけて、Netflixを見ながら削っていきました。こういう作業は無心になれるから楽しいです。
必要ない部分はピットをダイヤモンドカッターに変えてサクサク切っていきます。余分な部分をすべて削ったので綺麗に筒状になりました。はい削り出し終了です。
シュノーケルの処理
次はシュノーケルに移ります。シュノーケル本体にカッティングシートを貼ります。真ん中の部分はパーツを切ってしまったので、シュノーケルが見えてしまうからです。自宅の工作室の中から適当なカッティングシートを選びます。私は工作が趣味なので、材料の余りがたくさんあるんですね。適当な大きさに切ってシュノーケル本体にくるっと巻きました。
トライデントの中にシュノーケルを入れてみます。素晴らしいです! まさにシュノーケルになるために作ってくれたの? と思うほどこのおもちゃはピッタリの大きさですね。
ネジ穴の処理と接着
必要なくなったネジ穴は、100円ショップで買ったジュエル(ジェム)ストーンシールで塞ぎます。ホットボンドでキラキラのシールを貼り付けるだけ。簡単です。そしてシュノーケルをトライデントのパーツでサンドイッチにして、ホットボンドで接着します。
水抜きの処理
三叉のパーツもつけました。これは透明な黄色のプラスチックで、中が空洞になっています。この中に水が入ったときに上手く抜けるように、刃先の部分3箇所にドリルで穴をあけます。最初は細いドリルで穴をあけて、次に太いドリルビットに交換割れないように徐々に穴を広げます。穴のところに残ったバリはヤスリでなめらかにしておきます。
衣装にひっかかったり肌に傷をつけたりしないようにします。だいたい直径7mmぐらいの穴があきました。
水をシュノーケルにいれてテストしてみると……ちゃんと刃先から水が流れ出てます。成功です! あとはホットボンドですべてのパーツをしっかり接着して、熱が冷めるのを待ちます。
完成!
はい完成です! トライデント型シュノーケル見事に仕上がりました。思ってたよりちょっと大きめでしたね。やっぱりゴテゴテとプラスチックパーツが余分につくので、普通のシュノーケルよりも重さを感じます。
でもその分水中ではかなり映えます。透明な口の部分は見事に水に溶け込んでほとんど目立ちません。海ならなおさら見えなくなるはずです。思ったとおり、大成功の工作になりました。これならマーメイドの持ち物としてほぼ違和感はないと思います。
トライデントシュノーケルのデメリット
ただし! 1つだけデメリットがあります。シュノーケルクリアができないんですよ!
シュノーケルクリアというのは中に入った水を、息でピュッと吹き飛ばすシュノーケリングのテクニックです。水を飲み込んでしまわないように水中に潜った後に必ず行う必須のテクニックなんですが、これはシュノーケルクリアで息をプッと吹き込んでも、三叉部分で水が跳ね返ってしまって、トライデントの外に完全に水を吹き飛ばすことができないんです。
だから一度潜ったら立ち泳ぎして、シュノーケルを逆さにして手で振って水抜きしないといけません。これがちょっと面倒くさいです。でも使い勝手よりも、外見重視のシュノーケルですからこれは仕方ありません。
マリダイバーの次回作に期待!
このトライデントシュノーケル、大変気に入っております。まさに海の王様シャチにふさわしい小道具になりました。普通のマーメイドテイルにもイメージがぴったりです。青い水の中で黄色の三叉が目立ってかっこいいな!と我ながら思います。
実はまた別のバージョンの、変わり種シュノーケルを作ろうかなって思ってます。その時もまた作り方の動画をアップしますね。もしトライデントのおもちゃを見つけたらぜひ手作りシュノーケルに挑戦してみてください。
動画で見る
ロケ地
日本ガイシアリーナ・飛込みプール(愛知県名古屋市)