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長く水中息止めをしたいなら、やってはいけない15のこと

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水中で息をこらえる「息止め」タイムを伸ばしたいあなた。こんな残念な行動をしていませんか? 水中息止めの時間を長くするために気をつけたい「やってはいけない15のこと」をまとめました。どうぞ安全に、楽しく挑戦しましょう。

研究テーマ「息止めを長くしたいならこれをやるな!」

今回の研究テーマは「息止めを長くしたいならこれをやるな!」です。あなたは何分息を止められます? 今回は息止めをする時にやってしまうと息止めの時間が短くなってしまうという、息止めが長くできない15のことをご紹介します。

あなたはできるだけ長く息止めをしたいと思っているので、この記事を見てくださっていると思います。今から話す15の事を守れば、あなたの息止めは確実に長くなりますよ。ただ単に息を長く止められるだけでなく、素潜りやスキンダイビングマーメイドスイムなど、水中での滞在時間も自然に伸びるはずです。

絶対にやってはいけない禁止事項

最初に絶対やってはいけないこと3つ。「息止めが長くできない15のこと」とは別です。禁止です。息止めが長くなるとか水中に長くいられるとかそういうレベルの問題ではなく、命に関わる絶対禁止の3事項です。この3つは大前提として守ってください。

1ハイパーベンチレーションは禁止

ハイパーベンチレーションをすると苦しみを感じにくくなるので、必然的に息止めの時間が伸びます。でも危険な状態になっても息を止め続けていきなり気を失うことがあります。いわゆるブラックアウトです。だから絶対にやらないでください。

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2一人で行うのは禁止

息止めはお風呂でやってみたくなりますが、万が一気を失った時に溺死するおそれがあります。すぐに助けてくれる人がいる場所で行ってください。

3小さいお子さんは禁止

子供はまだ肺の機能が十分発達していません。それに時に大人が思いも寄らないような無茶なことをやりがちです。ちびっこはプールやお風呂で勝手に息止めをしてはいけません。どうしてもやりたい時は大人の人が見ているところでやりましょう。

ではこの3つの禁止事項を守るという前提で「息止めが長くできない15のこと」をご覧くださいね。

1 長く息止めできないと思い込む

おそらく正常な肺を持っている人なら、1分間息止めができないということはないと思います。男性の世界記録では11分35秒。女性は9分2秒の記録となっています。これを聞いて「そんなに息を止めても大丈夫なの!」と驚かれたのではないですか? フリーダイビングは精神のスポーツなので、こういう知識があると脳が安心するんですね。自分でも止められると信じる気持ちが大事です。

2 お酒・タバコ・カフェイン摂取

少なくとも潜る前は、お酒、タバコ、カフェインは控えてください。これらの嗜好品はどうしても身体へよけいな負担をかけます。タバコは肺にダメージがありますし、お酒やカフェインは利尿作用がありますね。無駄なエネルギーの消費を避けましょう。

3 直前にものを食べる

ものを食べると食べ物を消化するのにエネルギーを使います。せっかくの酸素を消化のために使ってしまうのです。だから飲んだり食べたりは事前にしないようにします。ただしあまりに空腹状態でフラフラの時もやっぱり息止めには向いていません。だいたい4時間から6時間ぐらい前なら食べてもそんなに影響はありません。

4 トイレを我慢する

これも同じです。トイレに行くのを我慢するのもエネルギーを使います。だから事前にトイレに行きましょう。

5 身体を締め付けるものを身につける

実は女性にとって盲点となるのがブラです。ビキニのブラで胸部を締め付けると、肺活量が確実に落ちます。この分男性よりも、女性の方が息止めに不利です。胸を圧迫するものはできるだけ外してください。また男性にも言えますが、水着やラッシュガードウェットスーツなど身につけるものは身体を締め付けない、快適なものを選びましょう。

6 冷たい水や熱いお湯で息止めする

身体が寒さを感じると反射的に筋肉が硬直します。そして力が入るとそれだけ酸素を消費します。冷たい水で行うと息止めの時間は短くなります。かと言ってお風呂の熱いお湯で行ってもだめです。心拍数が上がると長く息止めできません。ウエットスーツを着るかちょっとぬるいなと感じるぐらいの温度、だいたい30度ぐらいの温水プールがベストです。

7 大きめのダイビングマスクを使う

人間は顔が水についていて息を止めると心拍数がゆっくりと落ちいって、酸素の消費を抑える反応が起こります。これを「潜水反射」と言います。だから顔の大部分が水に接触している方が息止めの時間は伸びます。

大きいダイビングマスクよりも、小さい水泳ゴーグルの方がおすすめです。ダイビングマスクよりも水泳ゴーグル、水泳ゴーグルよりもゴーグルなしの方が潜水反射が起こりやすいです。ゴーグルをつける場合でも、事前にパシャパシャと顔を洗うといいです。

8 普段全く運動しない

筋肉と同じで肺もトレーニングで鍛えることができます。全く運動しない人よりも、普段運動している人の方が息止めが長いです。かと言ってゴリゴリに筋トレして筋肉量が増えすぎても筋肉の酸素消費が増えるから、適度な運動ですね。特に有酸素運動をしていると心肺機能が向上します。ウォーキングやランニングがおすすめです。

9 緊張状態で息止めする

緊張していると心拍数が上がって呼吸も早くなりますね。恐怖や緊張は脳がフル回転するので、息止めの時間が短くなってしまいます。息止めの前に深く深呼吸しましょう。そして考えることもしないようにしましょう。

10 水中に潜る

水に潜るとそれだけでエネルギーを使います。人間がたっぷり肺に空気を入れていると水に浮かんでしまうので、潜ろうとすると余分な酸素を消費します。また顔を上に向けた状態よりも、顔を下に向けた状態の方が長く息をもたせることができます。なんか言葉は悪いですが、水死体のようにぷかーっと水面に浮かぶのがおすすめです。

11 ウエイトを使わない

どうしても水中に潜って息止めしたい人は自力で潜らないでください。ウエイト(重り)を使います。この時も仰向けの状態よりもうつ伏せの状態の方が長く息が持ちます。ただし必ず足がつくところで、誰か他の人が様子を観察していること。水底でじっと息を止めていると気を失っているのか、息止めをしているのか見分けがつきづらいです。いつでも救助できる状態で行ってください。

12 いきなり息止めする

ためしに3回ほど息止めをやってみると、2回目、3回目の方が息止めの時間が長いはずです。肺が息止めに慣れるためです。本番前に事前に息止め練習してみるといいです。ただし十分に休憩をとって連続して息止めするのはやめてください。すぐに何度も息止めするとタイムは短くなってしまいます。

13 ほっぺを膨らませる

最後の一息を吸う時に、ほっぺを膨らませないでください。ほっぺたに力を入れてもタイムは伸びません。むしろ顔に力を入れてしまうので、息止め時間は短くなります。一見してほっぺを膨らませているような「パッキング」というテクニックもフリーダイビングにはあります。でもこれは全く別です。ただパッキングは上級者向けなので、ここでは割愛します。

14 水中で息を吐く

人が息を止めた時に苦しく感じるのは「酸素がなくなるから」じゃないです。血液に二酸化炭素が増えるから、脳が二酸化炭素の濃度を薄めるために息を吐けと命令してすごく苦しく感じるんです。

息を止めていると息を吐きたくなりますよね。息を吐くとその瞬間ふっと楽になります。でも実はその吐いた息の中にも酸素が残っています。息をを吐き出してしまったらその酸素を利用できません。息を吐くのは我慢します。息を吐くのは水面に顔を出す直前です。

15 横隔膜のけいれんを怖がる

息止めをしばらく続けていると横隔膜がけいれんし始めます。あくまで私個人の体感ですが、人によりますが、3分超えてくるぐらいの時点でこのけいれんが始まるんじゃないかなと思います。

フリーダイビングのスタティックアプネアという息を止める競技がありますが、むしろこのけいれんが始まってからが勝負です。この段階でもまだ全然息止めはできますが、普段トレーニングをしていない人はこの時点でやめてください。

初めてけいれんを体験するとすごくびっくりしてしまうんです。死ぬんじゃないかと思って恐怖心を感じると思います。パニックになってしまうことがあるので、決して無理はしないようにしましょう。

以上息止めを長くするためにやってはいけないことを15お話しました。簡単なことからちょっと難しいことまでいろいろありますが、自分ができることだけでもやってみると結構息止めの時間が伸びていきますよ。

ブラックアウトってどんな感じ?

でも自分の限界を知ってギブアップすることも大事です。意地になって 競争しようとしたり頑張りすぎてしまうと思わぬ事故を起こします。一番怖いのが「ブラックアウト」です。冒頭でもちょこっと言いましたが、一時的に気を失うことですね。

ブラックアウトってどんな時になると思いますか? 我慢して 我慢して すごく頑張って、もうダメだ〜! 気絶〜!ってなると思いますか?

違うんですよ。「まだいける まだ大丈夫うんうん いけるいける!」そんな風に思っていて、気がついたらプールサイドに引き上げられている。まるで時間が飛んだように突然起こるものなんです。

プールサイドに引き上げられているならいいですよ。でもたった一人でお風呂で息止めした時にブラックアウトしたら溺死してしまうかもしれません。発見したご家族の気持ちはショックどころではありません。そんなことで周りの人を悲しませたらだめです!

息止めに慣れているプロのダイバーでさえ、タイムや様子を見てくれるバディやサポートのダイバー、救護班がいる状態で息を止める競技をしたり深く潜ったりするんですよね。万全の体勢で行うんです。

我々プロではない素人は自分の限界を知るために、少しずつ、少しずつトレーニングする必要があります。だから決して無茶はしないでくださいね。

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