2022年5月7日(土)の人魚の学校練習会に参加しました。みんなで行う「人魚の学校の恒例行事・動画撮影」をご紹介。おしゃべりのテーマは「マーメイドスイム業界の裏側!?」です。
今日のテーマは?
先日マーメイドのお仲間たちとお話をしているときにある噂を聞いたんですね。みんなで「えーっ!」て絶句してしまいました。今回は普段表には出ない「マーメイド世界の裏側」、そして日本のマーメイドスイムが発展するためにどうしたらいいかについて考えてみました。
人魚の学校とは?
2022年5月7日、土曜日愛知県名古屋市名東区にあります、ダイビングショップ&スクールevisにて人魚の学校の練習会が開催されました。evisのプールは名古屋でも最大級の室内ダイビングプールで、浅いところは水深1.2m、深いところは水深5mあります。水温は27度となっています。
人魚の学校の恒例行事「動画撮影」
この日は土曜日だったこともあって、たくさんのマーメイドが大集合しました。マーメイドテイルがカラフルですよねー! 大勢の人魚が集まると練習会もにぎやかです。
いつも人魚の学校で行っている恒例の全体活動があります。それは人魚の生徒さん全員がそろってマーメイドスイム動画を撮ることです。2時間の練習会終盤だとみんな疲れてしまって、顔もぐったりしてますから、なるべくまだ元気なうち──序盤か始まって1時間ぐらいで撮影タイムです。
いつもシェリーナ先生とチェルシー先生がGoProというアクションカメラで皆さんの練習風景を撮影してくださるのですが、全員で撮る動画のときには水底に三脚をつけたGoProを設置します。その時々の思いつきで「今日はこんな動画を撮りましょう」と決めて、事前に簡単な打ち合わせをしてイチニノサン!でみんなが一斉に潜ります。
参加者が多いとタイミングが合わなくてテイク1でばっちり撮れるのは稀です。だいたい3回ぐらいやるんですね。NGシーンになると笑いが起こったり、上手く成功すると拍手したりで和気あいあいといつも楽しくやっています。
この日のマリダイバー「レインボーテイルで特訓!」
この日のマリダイバーは自作のレインボーマーメイドテイル。前にこちらの動画にまとめましたが、なんと2012年に作った衣装なんですよ。10年も前ですが、今も現役です。
そしてマーメイドの水中テクニック・バブルハートやバブルキッス動画を撮るために、シェリーナ先生・チェルシー先生の模範演技を見せていただきました。先生方のアドバイスによって私もかなり上達しましたよ。詳しくはこちらの動画をご覧になってくださいね。
そしていつも仲良くさせていただいてる人魚さんと一緒に、バブルリング練習ををしました。このマーメイドさんは人魚の学校でもかなりの「バブルリング名人」なんですね。この素晴らしいコンビネーションをご覧ください! バブルリングを輪くぐりしています。ね、上手でしょう? 私もいろいろ教えてもらっちゃいました。
そして一方、飛び込みが得意な私はこうやってやってみてはどうですかー?──なんてお話したりしました。このように生徒さん同士も仲が良くて、一緒に練習したりアドバイスし合ったりしています。初めて参加するマーメイドさんも楽しく雰囲気に溶け込めると思いますので、どうぞ気楽に参加してみてくださいね。
今回のテーマ「マーメイドスイム業界の裏側!?」
先日人魚仲間のお友達とお話をしていまして、こんなことを聞きました。いつも人魚の学校に来てくださっているある方が他の練習会に行ったときに、そこのお二人のマーメイドさんたちが陰でこっそりこうおっしゃっていたそうなんです。
「あの人達とは違うから」
みたいな感じで、ツーンとされていたそうです。もちろん個人が特定されないようにフェイクを入れてお話していますよ。
その友人の人魚さんは「なんだか冷たさを感じてしまった」とおっしゃってたんですね。この体験を聞いて私すごく悲しくなってしまいました。せっかく遠くから練習会に足を運んだのに、そのマーメイドさんたちがつんつんすました態度で、距離を置かれてしまうなんて、すごくいたたまれないというか胸が痛みました。
もちろんお二人のマーメイドさんは上級者で、マーメイドスイムもとってもお上手です。ベテランというのも納得の方々だったそうです。
思うに、自分の技術に自信があって、プライドや自尊心が高くて、マーメイドとしての誇りがあるのでしょう。そういったお気持ちが「初心者と一緒にしないで!」みたいな居丈高な発言になってしまったのかなと思います。または誰にも聞かれていないだろうと思わず口をついて出てしまったのかもしれません。
「にわか」とマウントを取る行為
某巨大掲示板にしても、SNSにしても「にわか」というネット用語で、その業界に入ったばかりの人を揶揄するような書き込みがありますよね。いわゆる「マウントを取る」です。これは、昔からやっている自分たちがいかに素晴らしいか、優れているかを示すために、他人をおとしめることで自尊心を高く保とうとする「ゆがんだ行為」だと思っています。
もちろん自負を持つことは良いことです。それだけ経験を重ねて、頑張ってきたことですからね。自分の内側で自尊心を高く持つのは心の健康のためにも大切なことです。
でも他者を見下して「自分たちの方が偉い」「あの人達と一緒にしないで」っていうのはちょっと違うかなと思うんです。
全員不幸になる残念な事例
上級者だからこそ、よりいっそう初めて足を運んでくださった方に対して優しく接してほしいなと思っています。というのも、これまでの経験から言って、古参の方々が新参の方々に厳しくものを言ったり、ビギナーや初心者に対して見下すような態度をとったり、悪口を言ったりするような文化は確実に将来衰退するからです。
どのジャンルにおいても多かれ少なかれ聞くお話じゃないですか? メディアで取り上げられたりして急激に新しい人がどっと押し寄せて、大流行になったのはいいけれど、昔からやっている人たちが「にわか」とバカにして厳しいことを言い続けた結果、ブームがあっという間に去ってしまう……
おそらく「ああ、あれか」みたいにあなたも思い当たるケースがいくつかあると思います。せっかくたくさんの人に広まったのに、あまりに初心者へのハードルを上げてしまって、ビギナーがついていけなくなって廃れてしまうんですよね。結果、新しい方も古参の方々も双方不利益になってしまう。全員不幸になる残念な事例です。
世界のマーメイドスイムブーム
ところで、マーメイドスイム人口はどのくらいあると思いますか? 世界的に見ればおよそ20年ほど前から主にアメリカからブームが始まりました。今や欧米各国にはたくさんのマーメイドがいます。例えば世界一有名な人魚のMermaid MelissaさんはYouTubeに116万人ものフォロワーがいます。(こちらのMelissaさんの動画の視聴回数はなんと1億回!)彼女は日本のテレビ番組にも出演したことがあるんですよ。
水中マーメイドモデルとして有名なHannah Fraserさんもインスタに10万人以上フォロワーがいますし、英語圏のYouTubeにマーメイド系YouTuberは何百人もいらっしゃいます。
中国でもここ数年はマーメイドスイムブームで、爆発的に人魚人口を増やしています。マーメイド大集合のギネス記録を出したり、来年には世界的コンペティションも開かれます。
日本はマーメイドスイム後進国!?
でも一方で日本はどうでしょう? YouTubeで検索してもマーメイドスイム専門チャンネルは私の番組を合わせても10個かそこらです。今も更新を継続しているYouTubeチャンネルはほんの数個。SSIという世界的なダイビング団体が発行しているマーメイドライセンスの取得者は日本では1000人ぐらいしかいません。
資格を取ってもやめてしまった人もいるでしょうし、現在定期的にマーメイドスイムを行っている人魚はおそらく良くて500人。毎月熱心に練習をしている人魚は、多くても全国で100人いたらいいほうかなと思います。
そのくらい日本は世界のマーメイドスイムの流行から何年も遅れているんです。言い方は悪いですが、はっきり言って日本は「マーメイド後進国」です。
ようやく少しずつ知られるようになったものの
そんな状態が長く続いていましたが、ここ数年でようやくメディアに取り上げられたりして、興味を持ってくださるかたがポツポツ増えてきました。これは良い流れが来たなと期待しています。これも昔からマーメイドスイムの発展に力を入れてきてくださった、たくさんの人魚の皆様のおかげだと思うんです。
そんなマイナーな日本のマーメイドスイム界にせっかく入ってきてくださったのに、冷たく当たってしまってはいけません。私なんぞは「マーメイドスイム」という言葉を知ってくださっただけでありがたいと感謝しています。
ましてや、わざわざ練習会まで足を運んできてくださるんですよ。「よくぞ来てくださった!」と感謝こそすれ、見下すなんてとんでもないことです。
マーメイドみんなで協力しましょう!
そりゃ確かに、始めたばかりの方は上手く潜れなかったり失敗ばかりです。でも誰だって最初はそうじゃないですか? 最初から5m10mガンガン潜れましたでしょうか? みんな初めは下手です。上手く泳げません。それが当たり前です。
上手くできなくても、それでも続けてくださるビギナーの方を、あたたかく迎え入れることこそ上級者の勤めではないでしょうか。狭い小さなコミュニティーだからこそ、私たち一人一人が協力し合ってみんなでマーメイドスイムを豊かな文化に発展させなくてはいけないんです。
「マーメイドスイムが自分に何をしてくれるのか」
と搾取をする側ではなく
「自分がマーメイドスイム界に対して何ができるのか」を考えましょう。
自分だけが楽しければいい、自分さえ上手くなればいい──というのはあまりに心が狭すぎます。ファンタジックな存在のマーメイドこそ、利他の精神を持ってほしいなと思います。
マーメイドスイムに対してできることは何か?
ではいったい何をしたらいいのか? それは自分が得意なことをやればいいんですよ。
マーメイドのためのアクサリーを作っている人魚
人魚の養成に努めているインストラクターの人魚
マーメイドの情報をSNSで発信している人魚
マーメイドショーに出演して一般に広めている人魚
イベントを企画して成功させている人魚
マーメイド一人一人が頑張って活動していらっしゃいます。
「自分には何も得意なことがない」──そんなふうに思った方は、他のマーメイドの方々に優しく接してください。練習会などで楽しい雰囲気づくりをするのも立派な「マーメイド活動」だと思いますよ。
私がマーメイドスイムに対してできること
かくいう私は動画でマーメイドスイムを広めたいと思っています。せっかく素晴らしい文化・スポーツなんだから、みんなで一緒に盛り上げていこうじゃないか──と私は個人的にそう思います。
それからね、私もこんなYouTube動画を作ってアドバイスとかおこがましくもお話しておりますが、始めたばかりの10年前はそりゃあもうヘタクソでね。頭抱えたくなるようなスイムをしてました。そんな昔の黒歴史動画もアップしています。
ホントは消したいんですけどね、でも見た人が「こんな程度でも大丈夫なんだ」「これなら私にもマーメイドスイムできそう」って思ってくださったらそれでいいです。
人魚の学校ではいつも和気あいあいと楽しい雰囲気で練習をしています。シェリーナ先生もチェルシー先生もとても優しい方です。どうぞお気軽にマーメイドスイムにチャレンジしてみてくださいね。
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人魚の学校情報
ロケ地
ダイビングスクール&ショップ evis(愛知県名古屋市)