ダイビングマスクではなく水泳ゴーグル(水中メガネ)で素潜りは可能でしょうか? マスクスクイズを知らないと危険です! 素潜り・スキンダイビング・マーメイドスイムを安全に楽しむためにマスクスクイズについてお話します。
水泳ゴーグルで素潜りは大丈夫?
素潜りする時にダイビングマスクではなく、水泳ゴーグルで潜っても大丈夫では? ノーズクリップをつければいちいち鼻をつままなくていいしなかなか良いアイデアかも!──なんて思ったあなた。
半分正解。でも半分不正解です。水泳ゴーグルの方がダイビングマスクよりお値段が安いので、そう考える方も多いのではないかと思います。マーメイドスイムやスキンダイビングでダイビングマスクの代わりに水泳ゴーグルは使えるんでしょうか?
潜る深度によって水泳ゴーグルは使えません
答えは使えることもあるし、使えないこともある。その違いは「潜る深度」です。深度が浅い場合は 水泳ゴーグルでも大丈夫ですが、深く潜るときにダイビングマスクでないと、大変危険なんです。深く潜れば潜るほどマスクは顔にはりつき、ギュッと押されるような感覚になります。水中では地上の空気よりも強く圧力がかかるからなんです。
マスクスクイズとは何か?
そして深度が深くなればなるほど圧力が強くなっていきます。それを我慢してさらに潜れば、ギューッとマスクが押されて眼球が飛び出しそうな激痛を感じるでしょう。そしてやがて白目の血管が切れて真っ赤になって目の周りは紫色に腫れ上がり、まるでゾンビのような眼球になってしまうんです。
マスクスクイズの意味
水の中ではそれほど痛くなくても陸に上がった後ででだんだん出血してくることもあるんですよ。この現象を「マスクスクイズ」と言います。スクイズとは英語でSQUEEZE。ギューッとしぼる、押しつぶすことです。眼球が押しつぶされそうなイメージで怖いですね。
水泳ゴーグルだと鼻から息を出して押せない
なのでマスクが水圧に押されてきた時には、鼻からプッと息を出して、逆方向に押し返す必要があります。でも鼻が外に出てしまっている水泳ゴーグルだと、目のカップ部分に空気を入れることができませんよね。だから深く潜りたい方は水泳ゴーグルではなくダイビングマスクを使わないといけないんですね。
どのくらいの深度でマスクスクイズが起こるの?
ではどのくらいの水深でマスクスクイズが起こるのかと言うと、マスクの大きさ・空気の容量・材質・形によります。比較的大きいガラスレンズのマスクのほうが、早い段階でマスクスクイズが起こりやすいです。
これはスキューバダイビング用の大きいマスクで潜っているところです。水深5mの底に座っている段階でマスクスクイズが起こり始めました。
水泳ゴーグルの場合
こちらは水泳ゴーグルです。目のカップが小さくプラスチック製で弾力があるため。5mでも全く痛くなかったです。ただし10mぐらい潜った時はマスクスクイズの感覚がありました・それ以上は危ないですね。
20mを水泳ゴーグルで潜る!?
以前YouTubeの動画で、20m以上を水泳ゴーグルで潜っている人を見たことがあるんですが、くれぐれも無謀な挑戦はしないでくださいね。フリーダイバーや魚つきをする人など深く潜りたい方は、容量の小さなマスクを使うことが多いです。
マーメイドスイムの場合は?
マーメイドスイムにおいては10m以上潜る人はほとんどいないと思うので、水泳ゴーグルにノーズクリップでもOKですが、海でかなり深くまで潜りたい方は、必ず鼻が覆われているタイプのダイビングマスクを選んでくださいね。
動画で見る
参考動画
水深20mを水泳ゴーグルで潜るBadjao族の男性の動画です。水泳ゴーグル+ノーフィンで20mとはすごいです! 3分間ご一緒に息を止めて視聴してみましょう。
Superhuman Filipino diver from the Badjao tribe BBC
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